子育て×Management 3.0
2022年7月、Management 3.0のグローバルウェビナーで家族向けの実践事例を発表しました。
今まで家族・子ども向けに行っていたManagement3.0の実践ブログや記事をLinkedInで紹介していたことをManagement3.0のグローバルメンバーから注目していただき、「登壇しませんか?」とお声がけいただいたことがきっかけです。
そこで、家族&Kids向け実践者が集まるslackチャネルに共有し、ミーティングにりうさん、青山さんと3名で参加したことから、3名でウェビナーも登壇する流れになりました!
(ほんと…心強かったです!)
Management 3.0に関わって5年になりますが、日本人ファシリテーターの知名度を上げたい、日本人ファシリテーターの多くの活動や実践例を海外に広めたいというのは、近年私が強く目標に掲げていたことだったので、ついにこのチャンスが巡ってきたというとてもとても嬉しい瞬間でした。
Family Editionのはじまり
今までお客様のManagement 3.0の事例を聞きながら、いつも「これはビジネスシーンだけでなく、私たちの日常にこそ事例が多くあるのではないか」と考えていました。
すでに周りではワークショップ受講後に家族と試していた方々が何人かいたため、私もやってみようと始めました。中でも吉川さんは多くの事例を書いていた一人です。
私もこれまでいくつかブログを書きました。
Management 3.0で子育てをする-家族のモチベーターを知ろう!
そして、後に、家族にも子育てにも応用できるという事例を紹介したいと、メンバーと「Management 3.0を仕事以外で実践した事例」というオンラインイベントを開催しました。
半年後には、他のメンバーにもインタビューをさせていただきました。
(子ども関連は、それぞれ親としての顔が垣間見えるので、ほっこりして大好きです。)
子育て編インタビュー:Management 3.0と子どもの教育
ちなみに、Family Editionというネーミングはグローバルのイベント告知の際に知りました。なんだかかっこよくて俄然気合が入った記憶です。
家族向け実践事例の多くは、ムービング・モチベーターズ、ニコニコカレンダー、ハピネスドア、デリゲーションポーカーです。Managemenet 3.0はイラストと絵がカラフルなので、子どもの興味を惹きつけます。
よく「子ども向けに行う時に、難しいことは何ですか」という質問を受けますが、簡単なゲームやプラクティスを選ぶことと分かりやすい説明、これに尽きます。
難しさも伴いながら、彼らから話を引き出し、アウトプットを待つ瞬間はとてもワクワクします。(ファシリテーターの腕が磨かれます)
「Managemenet 3.0を実践する」ことは手法のみを意味するのではありません。ゲームを実践しただけでは、「ゲーム楽しかったね」「Managemenet 3.0って楽しいね。」になってしまう恐れがあるからです。
そのゲーム、ツールから何を得たか、どこでどう活かせそうか、そこからの展開や応用、学びがとても大事なんですよね。
「Managemenet 3.0の実践者」とは、Managemenet 3.0のマインドセットを備え、そのように行動している人を指します。
プラクティスを使用していても、マインドセットを備えていない人にとっては、本当の意味でのManagemenet 3.0 実践者には至りません。あと一歩!なのです。
つまり、Managemenet 3.0を語るには、根底にある考え方をしっかり理解していないと「Managemenet 3.0、うまくいかなかった」「使えない」といった悲しい結果になってしまうのです。
会社を変えたいと志があったにも関わらず、解釈の違いや、コンテキストが違うからうちの会社には合わない、とどこかでボタンが掛け違ってしまい、本来のManagemenet 3.0のメッセージが正しく伝わっていない時はとても残念に思います。
Managemenet 3.0は、本当に簡単に言ってしまえば「幸せに働くための考え方や方法」です。
もっと会社を良くしたい、もっとみんなが心身ともに健康な状態でいるためにはどうしたらいいか、これは家族にも子どもにも言えます。
Management 3.0が本当に育てるもの
講演では、これらの実践を通して私が学んだことは、子どもたちの「自信」「自律」「自己肯定感」「自己効力感」「グロースマインドセット」が育まれたことだと話しました。
13才の息子は、小学6年生の秋に突然言い出した「受験したい」ということに始まり、テストの前には「自分はできる」という絶対的な自信を持つようになりました。何か大きいきっかけがあったかというとわかりません…
人と競うより、協調性を重んじる性格だったので、サッカーをしていた時はコーチに「○○(チームメイト)はキミのライバルだぞ」と言われてもピンと来なく、自分はみんなでプレーがしたい、みんなで勝ちたいだと私に話すような子どもでした。幼稚園の頃から、いつも周りに友達が集まるようなタイプで、基本的に周りを見ているような子でした。
成長が著しかったのは受験を終えた頃からで、中学校では挑戦することも増え、高い目標を設定し、それに向かってさらに自分で選択し、決定し、自律的に行動するようになりました。そんな姿に日々私は驚いてばかりです…。
12才の娘は、自分の意見をしっかり持っていて、とても論理的です。
自分の進路を自分で設定し、兄と同じく中学受験に向けて勉強しています。行きたい学校を自分でリストアップし比較し、記入し、塾に提出しています。
すべては自分で決めたこと。私が口を挟むことは…高額な商品の検討…のみです。
基本的に私は地域の学校に通うことを望んでいたため、受験に賛成していませんでした。ただ受験にはいい面もあり、教育を受ける場所を自ら選べるチャンスがあるので、親の考え方に委ねられるところが大きいなと感じます。
結局のところ、どの学校でこれを学びたい、ここで過ごしたいというのは、子どもが選ぶのがいいと思っています。
それを親はまず意見を聞いてあげることがとても大事だと感じます。
親が受験校を決めるという話は、中学受験でよく聞く子どもの不満の1つです。親が決めた場合のモチベーションはやはり低くなる傾向がありますよね。
実践例に話を戻すと、
このように、色々な意見が起こる場合や、たとえ家族としても自分と違うタイプの人間との対話には、論理的に伝えられるフィードバックラップが役に立ちます。
ガミガミ言ったり、子どものため、と子どもの意見を無視して親が決めるなんてことは逆効果。これは私のトレーニングにもなっていて、とても好きなプラクティスの1つです。
本当は誰が変わったのか
子どもたちの変化は目を見張るものがありましたが、なぜこのようになったのか講演後も考えてみました。
それまでは子ども自身の成長や変化だと思っていましたが、実は、子どもへの接し方や声掛けなど、まさに私自身の変化が大きく影響しているのだとわかりました。
2017年に私はManagemenet 3.0のワークショップを受けましたが、実際に自分の中に落とし込めてきたのはここ数年だと感じています。2020年にポジティブ心理学プラクティショナーになり、Management 3.0のいう幸せな働き方をずっと考えてきました。
Managemenet 3.0と出会ってから私の視野は大きく広がりました。
さらに、パンデミックをきっかけに働き方や価値観、教育、社会全体が大きく変わったことも1つの理由だと思っています。
考え方(マインド)の変化には時間がかかります。考え方や習慣は形成されていくものなので、なかなか変化するには勇気がいることもあります。
私自身はこのManagemenet 3.0の仕事を通して、この考えに日々触れ続けた結果、脳にジワジワと浸透したのだと分析しています。
マインドセットという言葉通り、「考え方(マインド)が植え付けられ」て、思考や行動の変容が徐々に起きていたのだと思います。
学び続けること、意識し続けること、新しいこと学び挑戦(実験)する心、これが私の自身の変容の鍵だったのだとわかりました。
親が変わると子どもはどうなるのか
ほとんどの子どもは、幼いうちは家や教育機関、祖父母や地域の人々といった小さい世界しか関わりがありません。特に、「先生」という存在は絶大で、先生の言うことは親より正しいとさえ信じています。
昔、子どもが小学校に入学した時、何かの話題で「いや、先生がそう言った。お母さんのいうことは違う。」と、頑なに私の言葉に耳を傾けなかったことは長年連れ添ってきた母として、それはそれはショックでした。
反面、先生という存在がこんなにも良くも悪くも人に影響を与えるのか、と敬服さえしたくらいです。
つまり、私たち大人の存在、振る舞いや発言、思考は、子どもに大きく影響を及ぼすのです。
Managemenet 3.0は、ゲームやワークを通して、人を変容させるパワフルさと強いエネルギーを持っています。正解を教えるのではなく、考えさせます。
それぞれ場面や状況が違うので、たとえ正解を教わったとしても通用しないことがあります。そのような状況にどう対処するのか、考えや方法を組み合わせながら最適解を導き出せるのがManagemenet 3.0の良いところであると思っています。
「メンバーのモチベーションの引き出し方」「リモートワークの効果的な方法」など、1つずつのパーツだけでもその時々に適応して使える「モジュール型」なのが、誰でも使いやすく、カスタマイズしやすいことを物語っています。
Managemenet 3.0は家庭やコミュニティ運営など、ビジネスだけでなく、私たちの日常生活にも取り入れやすいです。しかも、家庭で行う場合はリラックスしてどんな「実験」でも試せます。また反応もダイレクトなので、そこもおもしろいところです。
職場で使うには躊躇してしまうなぁと思われる方は、まずは身近な人たちにお試ししてみることをおすすめします。それが事例になるので、ちょっと人に伝えやすくもなります。
子どもとやってみた結果、自分がどう思ったか、どう活かせそうか、この「実験」からの「学習」が最も大事だと思います。
ぜひこの考え方をもっと知りたい方、子どもを自由に育てたい方、ご自身をもっと解放したい方、手法だけではなく、考え方の部分をぜひワークショップや講演を通じて受け取っていただきたいなと思っています。
最後に
もうすでに一部では行われていますが、さらに数年後には、勉強は学校で勉強するものという概念がなくなっているかもしれません。
今後、私たちは「大人」「保護者」「教育者」としてどう子どもたちと接し、何を伝えていけるのか。
複雑性の世界で私もますますトランスフォーメーションしながら、実践者として事例を作りつつ、新たな旅路をまた歩んでいきたいと思います。
お読みくださりありがとうございました!!!
おまけ。りうさんと青山さんのプレゼン。↓
2023年は世界へ向けて引き続き発信できる機会がある増えるといいなぁと期待しています!
グローバルメンバーよりカードをいただきました^^